メゾン・メモワール 1階店舗スペース和式トイレ 2018年7月9日8時12分
08:12:39
「あの……おトイレ、使わせてくださいっ…………」
都内の地下鉄駅間近にあるコンビニエンスストア。
国立女子大学やその付属校の最寄り駅から至近の距離にあり、朝の通学時間には多数の女子学生、女子生徒、女子児童で賑わう店舗である。
その店に入るなり、陳列された商品には目もくれず、小走りにレジに駆け寄り店員に声をかけた制服姿の少女がいた。白い襟のついた水色のワンピースに、白い靴下と通学靴。附属小学校の夏服を身にまとい、青みがかった髪を襟の高さで切り揃えたおとなしげな女の子。しかし、清らかさと静けさをまとった姿とは裏腹に、彼女の声は落ち着きなく震えていた。
トイレに行きたいという願いがそれほど切実なのであった。
どうぞ、と店員が答えるよりも早く、彼女は体を翻してトイレに向かっていた。お腹を押さえて、歩くと走るの中間の速度で。
店内の端にあるドアを開けると、中には1つの洗面台と、手前と奥と2つの個室の扉がある。そして、彼女と同じ制服を着た、より小さな1年生か2年生の少女が順番を待っていた。個室の鍵は2つとも赤い色を示していた。
すぐにでも個室に駆け込みたかったであろう彼女は、店内の雑音を背に10秒ほどそのまま静止していた。このまま個室が空くのを待つか、学校まで我慢して歩くか。しかし、後者の選択肢を選べるならば、このコンビニのトイレに駆け込む必要はないはずであった。
「……っ!!」
彼女はびくりと体を震わせておしりを押さえた。数秒後、彼女はおしりを押さえたままよろめくように足を踏み出し、片手で洗面所の入口のドアを閉めた。
少女の姿は店内から消えた。
会計を済ませた高校生が開けた自動ドアから、3人の小学生が新たに入ってくる。
店内では、朝の慌ただしくも賑やかな光景が続いていた。
08:13:03
モニタの表示を店内の防犯カメラから洗面所に切り替えると、順番を待つ二人の小学生の姿が再び映し出された。
これは監視カメラではなく、建物に備え付けられた隠しカメラである。洗面台から入口を見る角度で、前に並ぶ低学年の子と今並んだばかりの子が、我慢の限界と戦いながらトイレの順番を待っている。体の震え、焦りと苦悶の表情、白い肌に浮かんだ汗が高解像度で表示される。床面近くから斜め上方向を撮影するカメラでは、スカートに染み込んだ汗や、白い靴下にいくつか浮かんでいる茶色い小さな染みも識別することができる。マイクも高感度であり、苦しげな息遣いの音声データを記録し続けている。
この建物、賃貸マンションのメゾン・メモワールは女性の排泄シーンを余さずに記録するために存在する。しかし、学生街のマンションでは入居者は一部の例外を除き大学生以上に限られてしまう。そこで、より低い年齢層も撮影対象にできるよう、1階は店舗エリアとし、利用者が多くトイレが開放されているコンビニエンスストアを営業している。駅の女子トイレは1箇所のみで和式3洋式1の合計4個室しかなく、通学時間帯に集中する女子たちであっという間に行列ができてしまうため、その行列に並ぶ余力がない子が一縷の望みを託してこのコンビニトイレに駆け込む光景が毎日のように繰り広げられている。
トイレは男女兼用の洋式1室と女子専用の和式1室となっている。実際には女性の使用者が圧倒的に多く男性が使用することはほぼないのだが、やはり男女兼用の洋式は敬遠され、女子専用の和式トイレの利用率が高くなっている。気兼ねなくトイレを利用してもらえるよう、「みんなのトイレです。いつでも入ってください」と、小学生にもわかりやすい掲示を出している。
彼女はこのコンビニの、というよりこのトイレの常連であり、平均して1週間に1回程度、登校前のこの時間にトイレに駆け込んでくる。名前を片瀬詩央里といい、東京の北端あたりから電車通学してきている。詩央里ちゃんはとてもお腹が弱く、いつも下痢をしているだけでなく、具合が悪いときには朝と夕方の2回駆け込んで来ることもある。おとなしそうな見た目の通り礼儀正しい子で、特にトイレ利用時にスタッフに声をかけろとは書いていないのにいつも店員に許可をもらってからトイレに駆け込んでいく。
ここで全体画面に戻って、現在の状況を整理しよう。
洋式の個室にはスーツ姿の女性が入っていて、ちょうど排便を終えて温水洗浄便座を起動したところであった。黄土色に濁った便器の底にはどろどろの便が溜まり、水面には色鮮やかな未消化物が浮かんでいる。
和式の個室にはセーラー服姿の附属中学校の女子生徒がしゃがんでおり、断続的に破裂音をたてて排便を続けている。しゃがみかけで出してしまったのか、便器の後方の縁に液状の便が塗りつけられ今も少しずつ外側を伝って床に向けて流れ落ちている。便器の底は茶色の液体で埋め尽くされており、かなりの量を出したはずだがまだ便意が治まっていないらしい。
並んでいた低学年の子は、店内側からはわからなかったが、前押さえをして体を小刻みに動かしている。おしっこが今にも漏れそうなのを必死に我慢している姿だ。
そして今並んだばかりの詩央里ちゃんは、右手でワンピースのスカートの上からおしりを押さえ、左手でしきりにお腹をさすっている。激しい腹痛に襲われ、下痢便が漏れそうなのを何とかこらえている様子だ。
08:13:22
手前の個室から聞こえたウォッシュレットの動作音が終わり、新たに紙を巻き取る音、お尻を拭く音が洗面所にも伝わる。拭いた紙にはかなりの汚れが残っており、もう一度温水洗浄便座を動かして温かい流水で汚れた肛門を再度綺麗にする。
コンコン。
「あの、まだですかっ!!」
低学年の子が待ちきれずドアをノックする。お尻を拭いていた女性は少し手を止めたが、慌ててもう一枚紙を取って慌ただしくお尻を拭き、シンプルな桃色のショーツとストッキングを引き上げた。
「ご、ごめんなさい、待たせちゃって」
「漏れちゃう!!」
急いで個室から出てきた女性よりも素早い勢いで少女が個室に飛び込む。
ドアの開閉により自動的にモニタの画面が分割され、洋式の個室内の映像が映し出された。バタバタと切迫した足音を立てて便器に駆け寄り、震える手で便器の蓋を跳ね開け、慌ただしい衣擦れの音と共に制服のワンピースをがばっとまくりあげた……その時、すでにパンツからはおしっこの水流が流れ出していた。ビチャビチャと液体が床面を叩き、小さな水たまりができる。倒れ込むように便器に腰掛けた瞬間、シュイィィィィィィィーーーー……と陶器に水流が放出される音が響き渡る。
あと一歩間に合わず、おしっこのお漏らしをしてしまったのだった。
08:13:35
「…………」
個室の外では、詩央里ちゃんがその扉に視線を向ける。中で起こった光景は彼女の目には届かないが、音ははっきりと届いている。その音から、下級生がおもらしをしてしまったことは容易に推測できただろう。
おしっこを済ませてすぐ出てくるか、後始末が必要になるかで所要時間は大幅に変化する。和式トイレからまだ下痢便の音が聞こえてくる状態では、洋式の個室が空くかどうかが死活問題になるかもしれないのだ。
詩央里ちゃんはそっとお腹をさすってもう一つの個室を見た。その個室の中では、今もまだ和式便器を満たした茶色い下痢便の上に新たな汚物が注がれている。
08:12:49
ギュルギュルギュルゴロロロッ…………!!
「う……ぅ………………っ!!」
洋式トイレから出てきた女性が手を洗って洗面所から出ていくと、詩央里ちゃんは両手でお尻を押さえて極端な前傾姿勢になった。とても人には見せられない恥ずかしい格好での必死の我慢。そうしなければ漏れてしまうほどの圧力が彼女の肛門に押し寄せている。
08:13:05
ギュルーーッ! ゴロピーーギュルッ!! ピィィギュルグギュルッ!
グギュゥゥゥゥゥゥゥゥグルルルルゴログウーーーッ!! ギュルッ!
「うぅっ………………ん……ぐっ………………!!」
すでに開きかけている肛門を外から全力で押さえる。目を閉じ、体を震わせて全力で肛門を押さえつける。その状態が5秒続き、10秒続き、それでも彼女に安息は訪れない。直腸内に押し寄せた下痢便が今にも溢れ出そうとしている。
08:13:27
ビュッ…………ブビィッ……!!
「あっ……!!」
彼女のおしりから小さな破裂音が響いた。慌てて目を開き、肛門を押さえていた手を離す。ワンピースが汚れるのだけは避けようとしているようだった。洗面所に誰もいないのをいいことに、ワンピースのスカートの中に手を入れ、肛門のあたりを触って手触りを確かめる。次の瞬間彼女が示した表情は、安堵ではなく焦燥だった。
床面に埋め込まれたカメラからワンピースの中のパンツが見える。小学生らしい厚手の純白の女児ショーツ。指で押さえている付近に、彼女の指先ほどの大きさの濃い黄色の染みが浮かんでいた。
08:13:52
トントントンッ!!
「……あ、あのっ…………まだですかっ…………!!」
奥の個室に駆け寄ってドアをノックし、恥も外聞もなく声をかける。中から数秒おきに響いていた破裂音が止まり、7秒間の沈黙が続いた。
「す、すみません、もう出ます…………んっ!!」
ブジュブジュブジュビチッブビィィィッ!!
返事が終わらないうちに個室の中からひときわ大きい破裂音が響き、さらにその残響が消えないうちに紙を巻き取る音が聞こえ始めた。
08:14:08
「はぁっ…………ふぅっ…………………んっ…………」
詩央里ちゃんは前かがみになったまま、救いを求めるように閉ざされた扉を見つめている。その向こうにある白い便器にしゃがみ込んで生理的欲求を解放する瞬間を待ち望んでいる。
その扉の向こうでは、中学生の少女が紙を巻き取って肛門に擦り付けていた。
1回。個室中の映像では茶色の液状便がたっぷりと紙に付着している。
2回。まだ紙にべっとりと液状便の染みが残っている。
3回。中心部の汚れは薄くなったが周囲にまだ色濃く汚れが付着している。
08:14:27
グギュルルギュルルルルーーッ! ゴロロピィーーッ!
グギュルルルルルルゴロギュルギュルルルルッ!! ギュロッ!
「う………………あ、あ、あぁっ……」
激しい腹痛とともに、詩央里ちゃんに強烈な便意の波が押し寄せてきた。左手でワンピースの裾を手繰って、半分見えた状態のパンツの汚れた部分に右手の人差し指と中指を突き刺す。
ブビッ…………ブジュルッ…………ビビビッ!!
「――――――っ!!」
声にならない悲鳴を上げ、お尻の穴を押さえて悶える。高まり続けた便意が押しつぶされた肛門をこじ開け、水便が飛び出してしまったのだ。指先とお尻の穴の周りには生温かい感覚が広がっているに違いない。
08:14:41
「あ、あの、早くしてくださいっ!! もう…………もうだめっ…………!!」
肛門の周りに嫌な感覚を感じながらドアを叩き、個室を空けるよう懇願する。
個室の中の少女は、4回目におしりを拭いた紙が茶色く汚れていたのを目にすると同時に扉の外からの悲痛な声を耳にした。5回目に取った紙を慌ててお尻に擦り付け、便器に捨てると同時に水を流す。便器いっぱいに溜まった茶色の液状便に紙が落ちるより早く、流水が汚物を洗い流していった。
少女はしかし、個室の外には出ようとせず、便器の周囲を見て固まっていた。便器の後ろ側の縁から床にかけてどろどろの液状便が流れ落ち、さらに便器の側面や周囲にまで茶色の飛沫が飛び散っている。これを片付けようと思ったら1分ではきかない時間がかかりそうだった。
08:15:05
「は、早く…………早く…………ぅぅぅっ!!」
ブジュブジュビチチチッ!! ビュルッ!! ビュルルルルッ!!
個室の外では詩央里ちゃんのパンツの中で悲劇的な音が響き続けている。
08:15:13
「……お、お待たせしました………………」
詩央里ちゃんが見つめ続けていた扉が開く。結局、汚した箇所を掃除するよりも個室を譲る方が優先だと考えたのだろう。個室の外から聞こえる苦しげな声と音が彼女の背中を押したのだった。
中学生の少女が出てくるのを待ちきれず、詩央里ちゃんは体を半分ぶつけながら個室に飛び込んだ。
08:15:19
「ご、ごめんなさ……うぅぅ…………あ……あぁっ……!!」
ビューーッ!! ブジュブジュビュルッ!!
詩央里ちゃんが破裂音を立て続けるおしりを押さえながら個室に駆け込んでくる。その姿を複数のカメラが死角なく映し出していた。
ドアに向けて設置されたカメラが個室に駆け込む瞬間の表情と姿態を真正面から捉える。通常の排泄シーンの撮影には役に立たないが、我慢の限界で駆け込む子はこのカメラの画角に決定的な瞬間が映されることも多い。
後方の天井から個室内全体を映すカメラには、駆け込んできた彼女が慌ただしく便器に向き直り、一瞬躊躇する姿が見られた。便器の後ろ側の縁には、先客が吐き出した茶色い液状便の汚れがそのまま残っていたのだった。
床面から上方を仰ぎ見るカメラには彼女のスカートの中、もとい、スカートをめくりあげてほぼ丸見えになっているパンツと、白く細い脚が映し出されている。すでにパンツの中には汚れが広がっているのだろうが、水気たっぷりの汚物は今のところその外側には溢れ出していない。
和式便器の正面からの角度のカメラに逡巡の表情が浮かぶ。
08:15:22
「う、うぅぅっ…………!!」
ビジューーーッ!! ブビビブビブジュッ!!
次の瞬間にまた破裂音が響く。青ざめた表情で目を見開きながら、詩央里ちゃんは慌ただしく段の上に登り、おしりを右手で押さえたまま左手でワンピースを大きくたくし上げた。
後方壁面からのカメラが小さなおしりを覆う白いパンツの全体像を捉える。指先を肛門に突き刺すのではなく、今は手のひら全体で包み込むようにしていた。もはやおもらしを抑え切れないと判断して、被害を少しでも軽減しようとしているのかもしれない。
お尻の穴を全力で押さえているとパンツが膨らむことができず、行き場を失った水状便がパンツの脇から流れ落ちてしまう。しかし指先を離すことで漏らした便をパンツの中に留められる量が増え、伸縮性のある厚手の女児パンツのメリットを十二分に活かすことができる。
08:15:22
「だ、だめ、まだっ…………んんっ……!!」
パンツを下ろすために右手を離した瞬間、その汚れ具合が後方からのカメラに映し出される。肛門直下に直径2cmほどの黄褐色の汚れ、その周囲に不整形に浮かぶ黄色い染み。
…………すでにかなりの量を漏らしているはずなのに、白いパンツに浮かぶ汚れが少ない。いくら子供向けの厚手のパンツとはいえ、これだけ水っぽい音の下痢便を漏らしていればもっと表面に黄色い染みが浮かんでくるはずだが……。
その疑問の答えが見つかるより先に、彼女の体がびくりと震えた。
08:15:25
ビュルルルッ!! ブジュブジュブピッ!!
「あ、ああっ…………!!」
外圧がなくなった肛門が勢いよく水便を吐き出し始める。詩央里ちゃんは真っ青な顔に絶望的な表情を浮かべながらも、何とかパンツの脇に右手をかけ、肛門の前を塞ぐ障害物を取り除いた。
08:15:27
「ううぅっ!!」
ブジュビチチチビジューーーーーッブビビブビィィィィッ!!
ビチビチビチビシャーーーーーーッビュルルルルブシャーーーーーーーーッ!!
斜め後方に突き出された肛門から水状便が大量に噴射される。天井カメラと後方壁面カメラがその姿をしっかりと捉えていた。幅1cmほどで始まった水流が2cmほどに広がり、中心が薄く両端が濃い黄色の帯となってほぼ一直線の軌道を描く。汚水は便器の最後端から30cm以上も上を通過し、一段下の床面に叩きつけられた。床面のカメラの視界が真っ黄色に染まる。
08:15:29
「あ、あ、あぁっ…………んぅっ!!」
ビュビビッジャーーーーービィッ!!
ビュルッジャァァァァァァァァァァァビシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッビィィィィィィッ!!
ビュルビュルブシャァァァァァァァビュルビチビチビチビチビチブビビィィィーーーッ!!
水便を噴射しながら詩央里ちゃんは崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。汚水の着弾点が手前に移動し、便器の後ろ縁を捉えた瞬間に大量の飛沫が飛び散った。
白かったおしりに、すでに汚れているお尻の穴に、数個の黄色い点状の染みが目立つ白い靴下に、目立たないが僅かな光沢の点がつけられた通学靴に、数十個に及ぶ新たな淡黄色の水滴が跳ね上がった。靴下にはあっという間に水分を吸収されて染みになり、おしりの曲面から滑り落ちた水滴がいくつかまとまって下向きの2つの頂点から滴り落ちた。
トイレの下段の床面には直径50cm以上に及ぶ水便の池が出来上がり、便器のある段上には飛び散った水便の飛沫が直径30cmに渡って広がっていた。
彼女の小さな体が飛び込んできてからわずか10秒で、トイレの個室の中には凄まじい惨状が生み出されていた。
08:15:36
「う…………うぅぅっ…………!!」
ブパッビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィブシャーッ!!
ブシャブシャビィーーーーーーーーーーーーッ!! ブジャッビュルビュルルブビューッ!!
ビシャビチィーッ! ビュブシャーーーーーーーーーッ!! ビュルッビシャーーーーーービィーーーーーーーーッ!!
息つく間もなく始まる噴射。苦しげに開いた肛門から半透明の黄色の水状便が迸る。力いっぱい潰したホースの先端から放射されるような薄く広がった水流が、途切れることなく便器の底に叩きつけられる。便器の中が水飛沫で汚物の色に染まり、その底はあっという間に同じ色に埋め尽くされた。
便器にしゃがんで排泄する姿を捉えるカメラの数はさらに充実している。
08:15:45
「んぅぅぅっ…………」
ブピッビシャビュビィィッ!! ビシャビチャビュルジャアアアアアアッ!!
ビチビチブシャッブシャーーーーーーーーーーーーーッビュルルルルルルルッ!! ビュジャアアアアアアアッ!!
一番の見所は便器内前方から股間を見据えるカメラで、つるつるの一本線の秘部、その下で苦しげに開く肛門、そこから絶え間なく吐き出される汚水、便器の中に広がった汚水の海、次々と跳ね上げられる飛沫の数々、もはや絶景と呼ぶにふさわしい光景が映し出される。
08:16:02
「っ……んっ…………ぐうっ!!」
ビィーッビチャビチャビシャァァァァァァァァァァァッ!!
ブビビビビブシャビシャビチィッビシャーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
真横からのぞくカメラは、肉付きは薄いが瑞々しく丸いおしりの曲線を映し、鉛直下方から斜め後方15度の角度で伸びている一直線の汚水の水流をとらえる。水流が途切れないため静止画のように見えるが、その間にも便器の底の汚水の水かさは凄まじい勢いで増加しており、時々跳ね上げられた飛沫がおしりに付着している。
08:16:16
「ぅううぅぅっ!!…………ん……ぐうぅっ…………!!」
ブシャブシャーーーッビチィーーーッビュルーーーーーーーッ!!
ブシャァァァァァァァァァァァァジャーーーーーーーーーーービチィーーーーーッ!! ビュブシャァァァァァジャーッ!!
汚物入れに隠されたカメラは斜め前方からやや引いた形で排泄シーンを映し出す。迫力は前述の便器内カメラに及ばないが、苦しげにお腹をさする小さな手や、靴下に飛び散った黄色い飛沫などの小さな異変の数々が、彼女の排泄行為をより魅力的に見せてくれる。
08:16:31
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……んんんっ!!」
ブビッビチビチビチブジャッビチャブシャァァァァッ!!
ブパッビュルビシャァァァァァァァァァァァビィーーーーーーーッビチビチビチビチッ!!
彼女の顔を正面から見据えるカメラには、真っ青な顔で脂汗を浮かべながら汚物を吐き出し続ける苦悶の表情が、荒い息遣いとともに記録されている。目はぎゅっと閉じられ、歯を食いしばってお腹の痛みに耐えている。
08:16:48
「あ、あぁっ…………うぁぁっ…………!!」
ビシャビュルルルルルルルジャァァァァァァァビシャーーーーーーーーーッ!!
ブパッビチィーーーーーーーーーーーーーーーッブビュルルルルブビューーッ!!
ビシャビシャビシャブビィィィッ!! ビュッビィィィィィッジャーーブジャアアアアアァァァァッ!!
便器の底、最後方部にあるカメラは、本来は肛門を下からのベストアングルでとらえる1台なのだが、今回はしゃがみこむ前から水便の噴射が始まっており、放水によって視界が遮られてしまった。時折新たな水便で「洗われ」て肛門付近が見える。肛門の前後5cmずつの肌には、粘性がない水状便のためべっとりと覆う感じではないが、淡黄色の液体の光沢がはっきりと浮かんでいる。
08:17:00
「うぅ…………うぅぅっ…………!!」
便器の横から斜め前方を見上げるカメラには、直接排泄するところは映らないが、震える足とその間に渡されたパンツの内側が映っていた。その視界を真っ黄色に染まった物体が落下していく。
それは、折り重ねられたトイレットペーパーだった。かろうじて汚水を吸っていない端の部分に、薄い紙が何重にも折られているのが見える。トイレットペーパーを何度も折り重ねて、おもらしした時の被害を抑えられるようにしたのだろう。しかし、その紙質は薄い再生紙で、公衆トイレに備え付けの紙のように見えた。家を出てからの通学時間の間に一度公衆トイレに入り、それでもまた便意をもよおしてこのトイレに駆け込んできた、ということだろうか。
パンツの内側にはいくつも黄色い染みが浮かんでいたが、ほとんどは薄い汚れで、厚手のパンツの外側にまでは達していなかった。ただ、肛門の当たる場所には直径2cmほどの濃い染みができており、汚れはもちろん外側にも及んでいた。最初に駆け込んだ公衆トイレでこの汚れを見てから紙を敷いたのかもしれない。
被害を皆無にはできなかったが、彼女の機転はパンツの損傷を大幅に軽減することに成功していた。
08:17:25
「うぐぅっ…………んぅっ…………!!」
ブバッブジューーーーーーーーーーーーーーッビチチチチチチチチチチチチチチビィィィィッ!!
ビュビチィーーーーーーーーーーッビィィッ!! ブシャビィーーーーーーーーーッブシャーーーーーーーーッ!!
ビュッブシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッブビューーーーッ!! ブシャッビュルーーッジャアアアアアアアッ!!
彼女の意識はしかし、まだ収まらない腸内の圧力と激しく続く腹部の痛みによって埋め尽くされ、そこにパンツの汚れを軽減できた喜びが入り込む余地はなかった。
すべてのカメラが肛門から吐き出される黄色の奔流と、便器の中で跳ね返った数え切れない飛沫の粒子を映し出していく。
あどけない顔つきと清楚な制服姿の少女が、その姿に似つかわしくない苦しげな声を漏らすたび、肛門が爆発的な音を立てて黄色の汚水を吐き出している。
08:17:48
「う、ぅぅぅ………………うぅぅ…………あっっ!!」
ブビビブビッビチィッビュルーーーーーーッジャーーーーーーーーーッ!!
ビュルーーーーーーーーーッビュルルルルルルルルルビューーーーーーーーッブビィ!!
ブビッ!! ビィッ!! ビチビチビチ!! ブジュブジュブジュブビィィィィィィィィッ!!
凄まじい勢いの水便が一度途切れた次の瞬間、肛門から猛烈な圧力の気体とともに多方向に黄色い飛沫が飛び散った。その音量は凄まじく、トイレの前だけでなく店舗内にまで聞こえるほどの大きさであった。苦しみに青ざめていた顔がかあっと赤らむ。
08:18:10
「はぁっ…………はぁっ…………うぅぅ…………っ!!」
ビュルッビシャーーーーーーーーーーーーーーーービチィーーーーーーーッ!! ブシャッビチャジャァァァァビチィーーーーーッブシャーーーーッ!!
ブジュブビィィィィィィッ! ビィィィィッ!! ブピィィィッ!!
ブビビビビビブビィッ!! ブジュッ!! ブジュジュビチビチビチブビィィィッ!! ビュルッ!
ブピッブシャァァビュルルブビューーーーッ!! ビュルッビチィィィィビィィィィィビュルルルルッ!!
すぐさま新たな水便の滝が肛門から流れ出る。その水流が途切れる瞬間は安息の時ではなく、激しく震える肛門が個室内外に響き渡る炸裂音を立てる恥辱の時であった。真横から捉えるカメラの映像には、完全な液体となった便の表面張力によって肛門の外にシャボン玉のような泡ができ、次の瞬間にはそれが弾けて新たな水流が便器に叩きつけられる映像が何度も浮かんでいた。
08:18:37
「はぁ、はぁっ…………ふぅぅっ…………っくぅっ……!!」
プジュブピーーーブピピピッ!!
ブジュルッブビブビィーーーーーッ!! ブビッ!! ビチィッ!! ブビビビィッ!!
ゴロッゴロロロッグギュルーーーッ!!
勢いよく肛門から水飛沫を飛ばしながらも、彼女の腹痛は収まらない。それどころか苦しげな音を立てて腸が蠕動し、新たな水便を彼女の直腸に送り込む。
08:19:04
「あ、ぅぅぅっ………………んんーーーっ!!」
ブジャッビチィーーーーーッビシャァァァァァァブビシャアアアアアアッ!!
ブシャァァァビチィーーーーーーーーーーーッビュルルルルルルッ!!
ブパッビチィーッジャーービチィッ!! ジャーーーーーーーーーブシャーーーーーーーーッブビュルルルルルルッ!!
お腹が音を立てた次の瞬間には、また大量の水便が肛門から飛び出して便器に向けて噴射されていく。すでに便器の底は見えなくなり、側面も半分以上の面積が水状便に汚染されていた。そこに容赦なく新たな汚水が注ぎ込まれ、残された僅かな白い面を黄色に塗りつぶしていく。
08:19:32
「うぅぅ…………んっ…………うっ……!!」
ビィーーッ!! ブパッ!! ビシャーーーッ!
ビィィッ!! ビュルルッ! ブビューッ! ビシャビジャーーッ!!
ビシャビィィィィィビシャーーーーッビィィィッ!! ビュルビシャーーーーーーーーーッジャアアアアアッ!!
ブジュブジュブジュビュルルッ!! ビィーッ! ブビューーッ!
ブビッブビビビビビブジューーーーーーッ!!
直腸内を隙間なく満たしていた水便を吐き出し終わっても、まだ断続的な噴射は収まらない。数秒の水状便の噴射の音とその前後の水気混じりの気体の放出の音が個室の中に響き続けた。そしてひときわ大きく長い爆裂音が響き渡り、やっと肛門からの噴射が止まった。
彼女はトイレに駆け込んでから約4分間にわたって、常に便意から解放されず水便の噴射を続けていたのだった。
08:19:56
「はぁっ…………ふぅっ……………………くぅ……うぅっ…………!!」
ゴロッゴロギュルルゴロッ…………グピーーーギュルルルッ!
ピィーーーーーーーーゴログギュルルルルルッ!! ギュルギュルルルルルッ……………!
肛門にはまた大きな泡が浮かび、その表面を水便の雫が数秒に一滴ずつ流れ落ち、便器の汚水面に波紋を作り出す。斜め上後方からの映像には便器の中身がはっきりと映るが、そこに固形物は全くなく、パンツの中に敷いていた紙が溶け出した破片が浮かんでいるだけだった。
08:20:22
「うぅぅ…………ぅっ…………!!」
キュルーーッ…………キュゥゥキュルルルグキュルルルルッ……!!
グギュゥゥギュルゴログピィーーッ! グルルグルゴロゴロゴロッ……!!
ポタッ…………ピチャッ…………ビッ…………ピチャッ……!!
ぎゅっと目を閉じて左手でしきりにおなかをさする。正面からの映像では、肛門が開いたり閉じたりして、そのたびに黄色の雫が滲んでは絞られて便器の中に落下していく。
08:20:32
「んっ…………ふぅぅうっ!!」
ブジューーーーーーーッビシャビシャビシャビシャビシャッ!!
ビュルルルルルルビジャーーーーーーーッビチビチビチブビビビィィィィィィッ!!
ブシャブシャブシャーーーーッビィィィィィィィビュルーーーーーーーーーーーーッ!!
ブシャビシャーッ!! ブビビビビビビィィィィィィィィビュルーーーーーーッブシャーーーッ!!
1分ほどの僅かな時間小康を保っていたお尻の穴が突然弾かれたように膨らみ、次の瞬間には今までより太く勢いのある水流が便器に向かって吐き出された。肛門のしわの形を反映して扁平になった流体がねじれながら直下の汚水溜まりに叩きつけられていく。
08:20:48
「はあっ、はぁっ……っ…………うぅっ……んっ!!」
ビュルッビシャァァァァァァァァァァァブシャーーッ!!
ブシャッビチブシャァァァァァァァァァァァァァジャーーーーーーーッ!!
ビシャビシャーーッビュルルルルルブビューーッ! ブパッビチャビシャァァァァァァァブビューーーーーッ!!
ビュジャーーーーービュルーッ!! ビチィーッ! ブジュルーーーーーッビィィィッ! ブビビビィィィィィィッ!!
すでに便器の中を汚水で一杯にした少女の腸の中からそれ以上の量の水便が飛び出してくる。そのたびに肛門が激しく震えて空気を振動させ、可聴域の破裂音を次々と奏でていく。個室の中で反響する音が、その中心にしゃがみ込む少女の頬を真っ赤に染めた。
08:21:16
「んっ…………うぅぅっ…………うぅ!!」
ブシャッジャーーーーービチィーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!! ビュッビチィーッジャアアアアアアアアッ!!
ブビビィィィィィィッ! ビュルルビチィィィィィィィィィィビチチチチチチチチッ!!
ブピピッビチチチビィィィィィィッ!! ブシャッビシャビチャジャーーーッ!!
ビュルルッ!! ブピッビュルッ!! ビュジャーーービィッ!! ブビーーーーーーッブビビチーーーッ!!
ビュルブシャーーーーーッ!! ブシャッブシャァァァァァァァァァァァァァァビシャアアアアアアアッ!!
連続した水流が途切れ始め、断続的に肛門と便器の間20cmの距離が水流で結ばれる。約5m/sの下方向の初速度を持って射出される水便が便器に達するまでの時間は0.04s、真横から撮影する30fpsのカメラでは、1フレーム程度の時間である。肛門と便器の間に半透明の黄色の柱が現れ、数秒後に消える。これを繰り返しながら、飛沫の汚れが画角内に増えていく。
08:22:07
「うぅ…………はぁっ…………」
ビュルルッ!! ジャアアアッ!! ブパッビシャーーッ! ビュルルッ!! ブパッビチィーーッ! ビュルーーッ!!
ブシャーッ! ビシャアッ! ブリビビィーーッ! ジャアアッ! ブビューッ! ビィッ!
ジャアアッ……ブジャッ…………ビュルルッ…………ビシャビチィーーッ……ブビューーッ…………
幾度となく水便を吐き出し、便器の側面の7割をも黄色い汚水で汚し尽くした彼女の排泄がようやく終息に向かおうとしていた。噴射される水の勢いが落ち、水流より空気の放出が多くなる。ただ、その分破裂音の音量は大きくなり、彼女は目を背けるかのように瞳を閉じた。
08:22:39
「はぁっ…………はぁ…………あぁっ…………」
ブシャーッ………………ビィーーッ……ビィィッ………………ブピピッ…………
ビュルルッ………………ブシャーーッ………………ビッ…………
個室に駆け込んでから約7分後、やっと彼女の体に安らぎが訪れた。
羞恥に染まった頬を除いては青白くなった肌に浮かぶ汗が、まだ彼女の体調が悪いこと――猛烈な下痢がまだ治っていないことを示している。しかしとにかく、狂おしい便意からはやっと解放されることができたのだった。
08:22:52
「っ…………」
ほっと息をつく間もなく、彼女はおしりを拭き始める。
紙を巻き取って二つ折りを2度繰り返し、吸水性を確保した紙を肛門に押し当てる。肛門は赤く腫れてまだ半分盛り上がっており、度重なる下痢便の排泄で酷使されたことを訴えている。その肛門の痛みを少しでも和らげるために、そっと押し当てるような拭き方をしているのだろう。
「っ!!……」
使った紙の汚れ具合を見ずに彼女は手を離し、便器の中に紙を落とした。裏面まで肛門の大きさに数倍する黄色の染みが出来上がっており、その手に伝わった感触で汚れ具合がわかったのだろう。
8:22:58
「うぅ…………」
紙を巻き取ってはおしりに押し付ける。3回目で紙につく汚れは少なくなり、4回目では肛門そのものでは汚れがつかなくなった。下痢がひどすぎて粘性が失われていたため、ごしごしと拭かなくても自然に紙に吸収されてしまうのだった。
続いておしり全体を撫でるように拭いて回る。便器の中から跳ね返った飛沫の数々が紙に拭われていく。一つ一つは小さな雫だが数が多く、紙の端はほぼ満遍なく黄色に縁取られた。
8:23:35
「ん…………」
次に手を付けたのは、いくつかの黄色い染みが浮かんだパンツだった。内側に敷いていた紙のおかげで大破は免れたものの、表面にまで及ぶ汚れが中心に1箇所、他にもうっすらと外側までにじむ汚れがついてしまっている。紙で擦ってみるが、全く汚れが落ちる気配はない。
彼女はすぐに断念し、使っていた紙を捨ててパンツを片足ずつ脱ぎ、通学鞄の中に入っていた黒い布袋の中のジッパー袋に入れ、袋に入っていた同じような子供用パンツを取り出して履き直した。
そして紙を勢いよく巻き取り80cmほどの長さまで取って、二つ折り、二つ折り、二つ折りと慣れた手付きで折りたたんでいく。10cm四方8枚重ねになった即席液体吸収パッドをパンツの中に入れて、彼女は下着を上げて腰を浮かせた。
8:24:28
「…………あああ……………」
後ろを振り返った彼女の目の前に絶望的な光景が広がっている。
しゃがみ切る前に床に叩きつけられた水便は後ろの壁まで飛び散り、幅20cm長さ40cmほどの池とその数倍の範囲に飛び散った汚水の飛沫が、個室の床を汚し尽くしていた。
8:24:48
「お、お掃除……しなきゃ…………」
自らが作り出した惨状を目の当たりにして固まっていた彼女が、止まっていた時間が動き出したかのように紙を巻き取り始めた瞬間、個室の外から声が響いた。
「あの!!まだですか!!早くっ!!」
「え…………っ…………」
水便を体外に吐き出すのに夢中で外の様子に注意を払う余裕がなかった彼女の耳に飛び込んできたのは切迫した声とドアを激しく叩く音。
個室の外では、白いブラウスと紺色のスカートを身にまとった高校生がおしりを押さえてトイレに駆け込める瞬間を待っていた。その姿勢は10分前の詩央里ちゃんとそっくりであった。
8:24:52
「早く出てくださいっ!!お願いっ!!」
「う……あぁ…………は、はいっ…………!!」
有無を言わせぬ勢いに押されて、彼女は手にしていた紙を慌てて便器の中に落とし、水洗のレバーを倒した。
「…………………えっ…………!?」
彼女が吐き出した汚水を押し流してくれるはずの水が流れなかった。祈るようにもう一度レバーを倒すが、結果は同じであった。
「………………あ、あぅっ…………どうしよう…………」
「お願いっ!! 早く早くはやくっ!!」
「……………………」
便器の内外の汚い液体をそのままにして扉を開けることは恥ずかしさの極みであったが、これ以上時間をかければ外の子も我慢できなくなってしまうかもしれない。
目に涙を浮かべながら、詩央里ちゃんは意を決して一段低い床に降りた。入口付近はかろうじて汚れておらず、水便の飛沫に汚れた靴をそれ以上汚すことは避けられた。
ドアに手をかけた瞬間、彼女は恐る恐る後ろを振り返ったが、その光景を1秒も直視することはできず、逃げるようにドアを開けた。
8:24:58
「お、お待たせしま………」
「ごめんなさい、あああ、もうだめっ!!」
詩央里ちゃんより身長が20cm程高い高校生が、彼女を突き飛ばすように個室に駆け込んでいく。
「え、ええっ!? なにこれっ!!」
「…………………………」
個室に駆け込んだ少女が、一面に広がった汚れに驚いて悲鳴を上げた。その光景を作り出した犯人である詩央里ちゃんは、自らの行いを悔いるように目を閉じた。
「も、もうだめっ!! くぅぅっ!!」
ドアを叩きつけるように閉める音が響きバタバタと段の上に駆け上がる音と同時に衣擦れが響き、その音が終わらないうちに破裂音が響き始めた。
詩央里ちゃんはその光景を振り払うかのように目を閉じて洗面所で手をごしごしと洗い、個室から出るときと同じように、逃げるような足取りでトイレの外に駆け出した。
店内はトイレの中の惨状が嘘のように、平和な光景が広がっていた。
登校時間が近くなり児童生徒の数は減ったものの必要な買い物をする子が急ぎがちに商品を選んでおり、始業時間が遅い大学生の姿もちらほらと見えている。
「…………………」
詩央里ちゃんは店の入口まで来て立ち止まり、数秒間の逡巡の後に客が並んでいないレジの店員に声をかけた。
「………………あの、えと…………ごめんなさい、その……………………」
「どうなさいましたか?」
おどおどしている詩央里ちゃんを前にこのマンションの入居者でもある大学生の店員が声をかける。細身の体に栗色の長い髪が印象的な女性で、アルバイトではあるがテキパキと働きお客さんにも親切で評判の良い店員である。
「おトイレ、水が流れないんです……」
「えっ……あの、大変申し訳ありません。奥の個室ですか?」
「は、はい………………そ、それと、あの…………」
「…………?」
「おトイレ、汚してしまって………………あの、ごめんなさい…………並んでた人がいて、急いでて、そのままにしてしまって……」
まだ青白い顔を真っ赤にしながら、彼女は個室の中の事情を説明する。
「あら……。それなら大丈夫ですよ。お店で掃除しておきますから。故障のことも申し訳ありませんでした」
丁寧ながらも安心感を与える店員の雰囲気に、詩央里ちゃんもほっと息をつけたようだった。
「ごめんなさい、ありがとうございます……………………あ、あと、あのっ」
「……?」
「あ、あの…………せ、先週貸してもらった着替え、ほんとは今日返そうと思ったんですけど…………ま、また今度でも大丈夫ですか?」
「あっ…………ええ、大丈夫ですよ。全然急がなくていいですから」
店員は一瞬驚いたが、すぐに平静を取り戻して声をかけた
「あ、ありがとうございますっ………………じゃ、じゃあごめんなさい、失礼しますっ………」
恥ずかしい告白を終えて安心した詩央里ちゃんは、今度こそ逃げ出すように店の入口から外に駆け出していった。
「――店長、すみません。トイレの修理お願いできますか?」
「トイレ修理? どっちの個室?」
「奥の和式の方です。お客様から水が流れなかったと教えていただいて」
「……了解。私の方でなんとかするから」
「ありがとうございます。あ、あと、トイレ汚しちゃった人がいるみたいで…………」
「……ああ、それも片付けておくから、気にせず店内の業務を頼むよ」
「はい。よろしくお願いします」
インカムの通話を切り、工具と掃除用具――の中に忍ばせた撮影道具も――を持ってトイレに向かう。
詩央里ちゃんが作り上げた個室の中の汚れを現場で見られる機会を逃す手はない。
トイレの個室の中には「着替えが必要な方はインターホンでご連絡ください」とあり、お漏らしをして個室から出られなくなったお客様には、着替えと、汚れ物を持ち帰るための密封ジッパー袋、ウェットティッシュが入った黒い布袋を貸し出している。もちろん公式にアナウンスしているわけではないが、当店独自のサービスであり、「利用者」にとっては天の助けとなる。
詩央里ちゃんは先週金曜日に初めてこの「サービス」を利用していた。トイレの利用自体は初めてではなくむしろ常連の域に達しており、パンツに茶色い染みを作っていたことも少なくないが、個室の外に出られないほど着衣を汚してしまうことはこれまでなかった。ところが、あいにく個室の一つが故障中で、使用可能な個室でもお漏らしが複数発生して回転がさらに悪化し、あと一人になったところでついに力尽きてしまったのだった。水便まみれになったパンツと靴下の替えを借りて身につけ、トイレを汚してしまったことを何度も何度も謝りながら店を出ていった。彼女の名前と学年はその時に判明したものだった。
黒い布袋には小型RFタグが埋め込まれている。衛星による位置情報を取得して自動的に送信してくれる通信機能のお陰で、彼女の家の位置も半径3mの精度で特定できる。さらに、それ以上の情報も得ることができる。今日は家を出て最寄り駅で17分動きが止まっていた。通勤通学時間は長くても10分以内には次の電車が来るはずであり、それに乗らなかったということはトイレに駆け込んで出られなくなっていたのではないだろうか。その時にパンツを少し汚してしまい、質の悪い備え付けのトイレットペーパーを重ねて下着の中に敷いていたのであろう。もしその紙がなければパンツを完全に汚してしまい脚や靴下にも被害が及んでいた可能性が高く、彼女の先見の明は見事であったと言える。
結局、詩央里ちゃんの次に入った子も、もともとあった水状便と自分で出した液状便を流すことができず、そのまま個室を後にするしかなかった。
個室の中では、下の床一面に飛び散った黄色の水状便がそのままになっていた。また、便器の外にまで飛び散った飛沫が、詩央里ちゃんがしゃがんでいた足跡だけを残して様々な場所を汚し尽くしていた。便器の後ろ側の縁には詩央里ちゃんの前に入っていた中学生の子がひっかけてしまった下痢便が残っており、便器の底には、最後の利用者が出した茶色の液状便が同じ色に染まった紙を添えて、黄色い水状便の海に浮かぶ島のようになっていた。便器の側面にも詩央里ちゃんが飛び散らせた水状便の跡がしっかりと残っている。お腹を下した3人の女の子が作り上げた作品が視覚と嗅覚に強烈に訴えてくる。
これを片付けてしまうのは心苦しいが、様々な角度から写真を撮りしっかりと記録に残してから掃除に取り掛かった。やはり詩央里ちゃんが広範囲に飛び散らせた汚水の片付けは大変で、ひたすら紙を使って拭きまくる必要があった。それだけで5分以上はかかり、彼女が自分で片付けていたらさらに時間がかかっていただろうと思われる。すべての汚物を便器に押し込めた後、閉まっていた給水栓のコックを開けて水を流し、修理を完了した。
9時を過ぎて登校の時間が過ぎ、喧騒にあふれていた店にも落ち着きが戻ってきた。
詩央里ちゃんが返しそびれた布袋についていた衛星測位システムはその後も信号を送り続け、本日も帰り道の彼女の行動を間接的に教えてくれた。学校の最寄りの茗荷谷駅で18分動きが止まっており、さらに下校中の公園でも22分停止していた。いずれも下痢が我慢できなくなりトイレに駆け込んでいたことが明らかな状況であった。
数日後、下校時に返却に来た彼女は、借りた下着を汚してしまい洗っても落ちなかったので新しい下着を買って入れたと説明してくれた。貸し出した衣服をまた汚してしまう子は少なくなく、その場合は返さなくても良く弁償も不要としているのだが、申し訳ないのかきちんと返そうとしてくれる子が多い。
ピピピピピピピピ…………。
彼女が帰ってまもなく、インターホンのコールが鳴った。
モニタを見ると、床に液状便が散乱した洋式トイレの中で、茶色に染まったパンツを片手に立ちすくむ中学生の姿がある。
私は呼び出しに備え、貸出用の衣服の予備をもう少し増やした方がいいだろうと思いながら立ち上がった。